京都三弘法まいり

法話Houwa

2025年05月01日

京都 三弘法法話 «東寺 仁和寺 神光院»

江戸時代に始まった三弘法参り~東寺・仁和寺・神光院のゆかりの寺院でございます。

平成24年に「京都三弘法霊場会」が再興され現在、多くの参拝者が心の安らぎを求めて三弘法を巡拝されています。

今回は東寺に付いてお話しをさせていただきます。

東寺には金堂、五重塔、御影堂、講堂が立ち並ぶ~その中で講堂は空海さまが建立された道場であります。

講堂には21体のみ仏さまがお祀りされ~先ず、五体の如来さま「中央大日如来・阿閦如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来」、五体の菩薩さま「金剛波羅蜜多菩薩・金剛薩埵菩薩・金剛宝菩薩・金剛法菩薩・金剛業菩薩」、五体の明王「不動明王・降三世夜叉明王・軍荼利夜叉明王・大威徳夜叉明王・金剛夜叉明王」、四天王「広目天・増長天・多聞天・持国天」、そして梵天・帝釈天、計21体のみ仏さまが安置されています。

お説法には教えを伝える三つの方法があります。一つには口説(こうぜつ)の説法、二つには経典(文字による説法)、三つには仏像による説法があります。

今回は仏像による仏の教えをご紹介いたします。如来と云う仏さまは(慈)「いつくしみ」を表現する説法のお姿・・・菩薩は(悲)「かなしみ」苦しみを表現する説法のお姿・・・明王の姿は、(強烈な慈悲心)の説法を表現するお姿であります。梵天・帝釈天は仏教を擁護する神のお姿を表現されています。
つまり、仏教の教えの根幹であります~「慈悲心」の教えを仏像のお姿をもって空海さまは表現されたのです。

お釈迦さまは「慈悲」の心についてこのような言葉を残されています・・・
私たちは、お祈りをする時は心静かに両手を合わせ、心には「この世に生きとし生けるもの全てが幸せでありますように・・・」と祈り~又、私たちは悩みや苦しみの中で生活している~その、悩みや苦しみから逃れられますように・・・・と祈る姿と心が「慈悲」の心であります。

空海さまはもう一つ、お不動さまを加え~強烈な慈悲心を持つ仏、例えば「家が火事になりその家に幼い子供がいます~想像して下さい・・・早く、はやくすぐに救わなければ命がありません・・・」そのぎりぎりの状態を担当する仏さまがお不動さまなのです~ご祈祷のご本尊にはお不動さまが寄り添っている理由がここにあります。私たちの心に寄り添って頂くみ教えを形にしたものが21体のお説法のお姿であります。

三弘法参りにて東寺をお参りする際、時間があれば是非21体の仏さまを安置しております講堂にもお立ち寄りください。
ではまた~三弘法でお会いいたしましょう・・・ 合掌

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