京都三弘法まいり

法話Houwa

2026年10月01日

京都三弘法 法話 《仁和寺境内に教風が漂う》

仁和寺を建立された宇多法皇様はお大師さまのみ教えに心を起し、八角円堂建立を発願され、延喜四年(904年)3月声高らかに願文を唱えられました。
その中に「四季緑の映える場所を選び、私の心は崩御された光孝天皇を思っての事です、僧侶百名を招き心静かに思いをめぐらせ、そろった声の響きは、風に任せて広くすみずみまでゆきわたりました。空海の弟子である私は仏の弟子となり、一身に修行をなし未来永劫大衆の幸せを祈り続ける事を誓う」とご本尊さまとお大師さまにお誓いをされました。当時宇多法皇は37歳の時でした。その祈りは今に至る1138年の時が流れてまいりました。

早朝、静寂な境内に歩を進める、ふっくらとした苔の小高い山にフト眼(まなこ)を向けると~赤い彼岸華のつぼみを見つけました~そのつぼみを見ながら、日々の生きる中で、良き思いや悪しき思い、様々な思いが心の底に積もります。浄心の参道に歩を進め、金堂の手前に茶所と言われています休憩所があります。そのお堂にはお大師さまが鎮座され日々参拝者を迎えておられます。その傍らには、一首の和歌がしたためられています。
〽人のみち 深山(みやま)の道 しらさんと みちひき大師 ここにまします〽と詠まれています。
仁和寺には境内を背にした成就山があります。その山には四国霊場八十八ヶ所の写し霊場が設けられ、江戸時代より多数の参拝者が絶えることなく参拝されています。

お四国八十八ヶ所霊場信仰とは、さまざまな願い事を抱き参拝されますが、私たちにとって大切な願いとは、五穀が豊穣であると言うことではないでしょうか。
四穀は(麦・粟・稗・大豆)・五穀とは、「米・麦・粟・稗・大豆」・「米」と云う文字を分解すれば八十八と書きます。乃ち、弘法大師八十八ヶ所の霊場の願いではないでしょうか。五穀が豊かであれば、私たち国民も含め大安楽~随って人類は平和そのものであります。
弘法大師の信仰は時が移れども、利他(生きとし生けるものの幸せを願う)と言う祈りは今も尚輝き続ける仁和寺であります。その願いこそが「自利利他」自身の幸福が他の人の幸福につながり、他の人の幸福が自身の幸福につながる、調和の取れた状態を云うのです。仁和寺境内には教えの風、香りの教風が漂っています。

三弘法は、安心(あんじん)と今ある自身を大切にする事が~実は、他の人びとと共に生きる理想とする世界をお大師さまは曼荼羅をもって表現されたのであります。自身の幸せを願う時こそ、他の人に対する心配りと祈りが大切でありお大師さまのお心でもあります。

朝夕の寒暖の差を感じます~くれぐれも御身ご自愛の上お過ごし下さい・・・
ではまた~三弘法でお会いいたしましょう・・・ 合掌

法話一覧に戻る